追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

「そうなんだ。でもそれだけじゃ、ちょっと違和感があるよね。いくら証拠がないからといって、人々が怖がっているのは事実なんだし……」
「さあ……事情はわたしにもよく分かりません。でもなんにせよ、不気味な宗教であることには間違いないので、フィルさんもこの街で暮らすなら気を付けた方がいいと思います。なんせあの人たちは──魔神ベルフォットを信仰しているんですからね」
「ま、魔神!?」
 シンディーの口からそんな言葉が出てくると思わなかったので、つい声を大きくしてしまう。
 ベルも『お?』と前のめりで彼女の話に耳を傾ける。
「フィルさんが驚くのも無理はありません。八百年前、この世界を恐怖に染め上げた魔神。そんなものを信仰している人たちがいるだなんて、信じがたいでしょうから」
「で、でも魔神っていうのは御伽噺の中だけの話じゃ?」
『御伽噺? なにを言う。魔神は確かに──』
「ベルは黙ってて!」