追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 電気の魔法石を利用して作られた街灯があるおかげで、夜とは思えないくらい街中は明るかった。
『とうとうこの時がやってきた! フィル、今から街を観光するぞ!』
 ベルが辺りをキョロキョロしながら、騒いでいる。
「悪いけど、観光はまた明日にしないかな? 今日は動きっぱなしで疲れたし。それに今から行っても、閉まっているところも多いと思うよ?」
『むぅ、そうなのか? しかし妾は楽しみにしておったんじゃが……』
 落ち込んだ様子のベル。
 ……この顔を見ていたら、申し訳ない気分になる。
 だから。
「屋台はあるし、なにか食べようか。それくらいはする余裕があるからね」
 僕が言うと、ベルはパッと表情を明るくした。
 見た目は猫なのに、表情が分かりやすい。
 そんなベルを見ていると、くすっと笑いが漏れた。
「あっ、だったらあのお店がいいと思います! わたしいち押しです!」