パーティーを追放された後──僕はビクビクしながら、近くの街を目指していた。
「ここからだと『ミースネ』が近いと思うけど……それまで、果たして無事でいられるだろうか」
幸いなことに、ここまで魔物との交戦はない。
いたとしても隠れてさっと移動し、なんとか魔物に気付かれないでいた。
一瞬「なんとかなるんじゃ?」と希望が湧いてくるが、油断はいけない。
僕はより一層気を引き締める。
だけどこの時の僕は、とある事実が頭から抜け落ちていた。
小さい頃から、僕は運が悪いことに。
こういう時、悪い方に天秤が傾いてしまう僕の悪運に──。
……オオオオ──!
「!?」
地が震えるような雄叫び声。
近くの木々に止まっていた小鳥が羽ばたき、獣たちが慌てて逃げ出す。
「こ、この声は!?」
まずい!
周囲の様子に頭の中で警鐘が鳴り響く。
僕はすぐさま声から離れるように駆け出した。
しかし声はどんどん大きくなっていく。
木々が倒れる音や、なにかが割れるような音も聞こえる。おそらく、声の主が周囲を破壊しながら進んでいるためだろう。
「あっ!」
慌てていたためか、足がもつれその場で転んでしまう。
すぐに立ち上がろうとすると……。
グオオオオオオオ!
「ここからだと『ミースネ』が近いと思うけど……それまで、果たして無事でいられるだろうか」
幸いなことに、ここまで魔物との交戦はない。
いたとしても隠れてさっと移動し、なんとか魔物に気付かれないでいた。
一瞬「なんとかなるんじゃ?」と希望が湧いてくるが、油断はいけない。
僕はより一層気を引き締める。
だけどこの時の僕は、とある事実が頭から抜け落ちていた。
小さい頃から、僕は運が悪いことに。
こういう時、悪い方に天秤が傾いてしまう僕の悪運に──。
……オオオオ──!
「!?」
地が震えるような雄叫び声。
近くの木々に止まっていた小鳥が羽ばたき、獣たちが慌てて逃げ出す。
「こ、この声は!?」
まずい!
周囲の様子に頭の中で警鐘が鳴り響く。
僕はすぐさま声から離れるように駆け出した。
しかし声はどんどん大きくなっていく。
木々が倒れる音や、なにかが割れるような音も聞こえる。おそらく、声の主が周囲を破壊しながら進んでいるためだろう。
「あっ!」
慌てていたためか、足がもつれその場で転んでしまう。
すぐに立ち上がろうとすると……。
グオオオオオオオ!