「わたしはシンディーっていいます!」
「シンディー……良い名前だね。僕はフィル」
 僕もそう名乗る。
 さっきは戦うことに集中していたせいで気付かなかったけれど──シンディーはすごく可愛い女の子だった。
 銀髪のショートカット。肌もキレイで光を放っているかのよう。整った顔立ちをしていて、思わず見惚れてしまった。
 そしてなにより……。
「ん? フィルさん。なんかぼーっとしていますが、どうしたんですか? も、もしかしてさっきの戦いで怪我を!?」
 シンディーが僕に顔を近付けて、そう慌てて声を出す。
「い、いやいや、なんでもないよ! 怪我なんてしてないし、ましてや変なところなんて見てないから!」
「変なところ?」
 咄嗟に顔を逸らした僕を、シンディーが不思議そうに覗き込んできた。
 でもこうしている間にもチラチラとそれ(・・)が視界に入ってしまう。