魔剣をフライゴブリンに一気に振り下ろす!
 フライゴブリンは魔剣の前に為す術なく、ひと振りで絶命した。
「フ、フライゴブリンも一発で!? なにが起こっているんですか!」
 その光景を見て、近くでしゃがんでいる女の子がそう声を発した。
「ふう……なんとか無事に済んだね。怪我はない?」
 地面に着地し問いかけると、彼女はものすごい勢いで何度も首を縦に振ったのだった。
 

「ありがとうございます! このことはなんとお礼を申し上げたらいいのか……」
 ゴブリンの群れを始末して、少し落ち着いてから──僕は女の子と言葉を交わしていた。
 彼女はさっきからお礼を言って、何度も頭を下げている。
 そんなにペコペコして、首を痛めてしまわないかな? ──と心配になるほどだった。
「気にしないで。困っている人を助けるのは、人間として当然のことだからね。そんなことより君の名前は……」