だから僕は受付へ急ぎ、そこにいる受付嬢さんに話しかけた。

「こんにちは。今日はどのようなご用でしょうか？」

　ニッコリと笑みを浮かべ、愛想よく対応してくれる受付嬢さん。
「はい。僕は冒険者なんですが、今さっきこの街に辿りつきました。そこでお金も心許ないので、依頼をこなしたいんです。なにか良い依頼はありますか？」
「そうなんですね。ありがとうございます。それにしてもよくご無事でしたね？　今、この街の近くでオークキングの目撃情報があったんですよ。王都のギルドにも討伐依頼を出していますが、誰も倒すことが出来ていないんです」
　困り顔の受付嬢さん。
　どうやら街の周辺でオークキングがいることは周知の事実だったらしい。
　まさかギャロルたちはこのことを知っていて、僕をあんなところで追放した？　──いや、これ以上考えるのはやめておこう。腹が立つだけだ。