「まずは冒険者ギルドに行って、依頼をこなしたいと思う。そうすればお金が手に入るからね。観光や食事はそれからだ」
『ほほお！　冒険者ギルドとやらがどんな場所か、妾も気になるぞ！』
　よかった。冒険者ギルドに興味が移ってくれたらしい。

　その後、僕たちは人混みを掻き分けて、早速冒険者ギルドに向かい──到着。

『んんん？　なかなか殺伐とした雰囲気じゃな。皆、人を殺しそうな顔をしておる』
　ギルド内を眺め、訝(いぶか)しむベル。
「まあ冒険者は腕っ節に自信がある人が多いからね。他に比べて、ちょっと独特な雰囲気かもしれない」
『そうなのか。まあ妾はこういう雰囲気の方が好きじゃけどな！』
「それはなによりだよ。さあ──受付に行こうか」
　ベルはギルド内を色々と見学したさそうだったが、喋る猫のことに気付かれて無用な騒ぎになってしまうのは避けたい。