追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 だったら──やっぱり、僕が魔剣の使い手としてベルと一緒にいるって決断は、そう間違いじゃなかったってことかな?
「でもフィルさんがどう思っているか分からない。もう魔剣を使いたくないと考えている人間を、無理矢理付き合わせるのは申し訳ない。だからどうするかはフィルさんに決めてもらおう……って、ベルちゃんと話し合ったんです」
「だからさっきのベルとの問答だったわけだね……」
 やけに試すような口調で言ってくると思っていたけれど……僕はまんまと彼女たちの掌の上で、転がされていたらしい。
「ありがとう。シンディー、ベル。僕のことを考えてくれて」
「これくらい、お安いご用です!」
『当然じゃ』
 ふたりは笑顔でそう言った。
「じゃあフィルさん。早くカトリナさんに会いにいきましょう」
「え? カトリナ、まだこの街にいるの?」