「フィルさんは、魔神の邪念が流れ込んできても、それに負けない心を持っていたから、魔剣に選ばれたんじゃないか……って。だってきっと、魔神さんも世界征服なんて、本当はしたくないんだと思います、ねー、ベルちゃん」
『うむ』
僕たちの話を聞いていたベルが、神妙な口調でこう語る。
『とはいえ、妾はシンディーに言われてそれに気付いたんじゃがな。おそらく──妾は人間が好き……なのだと思う。しかし魔神の宿命とも言える邪念がそれを邪魔する。そこで邪念を封じ込める逸材を探していた──それがフィル、そなたじゃ』
「で、でもそれだったら、シンディーが魔剣の使い手になればよくない? それだったら……」
『戯け。聖女は魔神の力を制御出来るが、魔神を使いこなすことは出来ん。ゆえに八百年前、聖女は魔神を剣に封印することしか出来なかったのだからな』
「ああ……なるほど」
『うむ』
僕たちの話を聞いていたベルが、神妙な口調でこう語る。
『とはいえ、妾はシンディーに言われてそれに気付いたんじゃがな。おそらく──妾は人間が好き……なのだと思う。しかし魔神の宿命とも言える邪念がそれを邪魔する。そこで邪念を封じ込める逸材を探していた──それがフィル、そなたじゃ』
「で、でもそれだったら、シンディーが魔剣の使い手になればよくない? それだったら……」
『戯け。聖女は魔神の力を制御出来るが、魔神を使いこなすことは出来ん。ゆえに八百年前、聖女は魔神を剣に封印することしか出来なかったのだからな』
「ああ……なるほど」
