「二度と無茶なんかしちゃダメですよ! それでも無茶したい場合は、わたしも付き合わせてください。約束です!」
「うん、約束」
 そう言って、僕たちはお互いに笑った。
「それにしてもシンディー……もうその様子だと、自分の正体について、ちゃんと理解しているみたいだね。それに──僕が持ってる魔剣のことも」
 僕が問いかけると、シンディーは目元に浮かんだ涙を指で拭う。
 そして真剣な声音で、
「はい……記憶も戻りましたし、魔剣もベルちゃんから詳しく聞きました」
 と口にしたのだった。
「……そっか」
「フィルさんがいつも使っていた剣には魔神──ベルちゃんが宿ってたんですね。最初は驚きましたが、フィルさんがあんなに強かった理由も分かりました。そしてあの時……フィルさんが正気を失った理由も」
 シンディーはそう言って、ベルを見やる。
 ベルはちょっと居心地が悪そうだ。