ゆえにベルと手を繋いで、胸を張って歩んでいこう。
 その旅は、きっと楽しいものになるだろう。
「ベル──これからも僕に力を貸して」
『……! 当たり前じゃ!』
 と僕はベルと握手をした。
 もっとも、今のベルは猫の姿なので、僕が一方的にベルのちっちゃな手を握るだけの形となったけれど……。
 そうしていると。

「フィルさん!」

 シンディーが扉を勢いよく開き、そのまま僕のいるベッドに飛び込んできたのだ。


「よかったです! フィルさん、全然起きてくれないから……っ、もしかしたらもうこのままかもって……わたしもポンコツで、いくら力を使ってもダメですし……本当によかったです!」
 彼女はわあわあと泣きながら、何度も「よかった」と繰り返している。
「心配させてごめん。でも、もう大丈夫だから」