『全て本当じゃ。そしてその邪念が魔剣から流れることにより、そなたはカトリナを殺しそうになった』
「…………」
 夢だと思いたかったけれど、どうも現実はそんなに甘くないらしい。
 なんて返していいか分からず、僕は押し黙ってしまう。
『……そなたはこれからどうするつもりじゃ?』
 そんな僕に、ベルは試すような口調で問いを投げかけてくる。
『シンディーが魔神の力を制御出来るとはいえ、いかんせん出力が不安定じゃ。ゆえにそなたも三日間も眠りこけてしまったのじゃろう。ならばそなたが魔剣を持ち続けている限り、三日前のようなことがまた起こってしまうかもしれぬ』
「…………」
『そなたの覚悟も知った。ゆえに問う──そなたは魔剣の所有者であることをやめるか? それともシンディーに頼み、妾を封印するか? もっとも、後者に至っては彼女が力に慣れるまでに、多少時間が必要になるかもしれないが……』