だけどギャロルの愉快そうな表情は変わらないままで……。
「頑張ってきたつもり? それだけでいいと思ってんのか? この世界、結果が大事だ。それなのに結果をなにひとつ出せていないご身分で、よくそんなことが言えたな」
「ぐっ……」
 ギャロルの言ったことに、僕は反論出来なかった。
 彼の言うことにも一理ある。
 でも結果が出せないなりに、雑用係としてこのパーティーに貢献しようとした。
 パーティーに入れてもらって一年間──雑務を全て引き受けたせいで、睡眠時間なんてろくに取ることが出来なかった。
 さらにギャロルの金遣いが荒いせいで、いつもパーティーのお財布事情は火の車。
 少しでもお金を節約するため、僕だけ野宿したことは数えきれない。
 何度もパーティーメンバーから暴言を吐かれ、時には暴力も受けた。
 それでも僕が頑張ってきたのは、いつか自分も立派な冒険者になるため。