追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 その力を利用──もしくは排除しようとする者がいつ現れてもおかしくない。
 ゆえに──彼女たちは人里離れた場所で独自の村を作って、そこでひっそりと暮らすことにした。
 そして八百年の間、平和に時が流れ──シンディーも生まれた。
 村は外部から閉ざされているため、貧しかった。
 けれど、両親や友だちと楽しく暮らせて、シンディーは幸せだった。
 だが、そんな平和な日々も長くは続かない。
 ベルフォット教の信者が聖女の村を突き止め、焼き払ったからだ。
 理由は無論、聖女の血の断絶。
 魔神を崇拝する彼らにとって、それに対抗する唯一の力を持った聖女は脅威だったのだ。
 その頃はまだベルフォット教も小規模だった。
 ゆえに、今ほど有名な邪教ではなかったが──村を焼き払ったメンバーにはリオネルもいた。
 彼らの計画は滞りなく行われ、聖女は皆殺しにされた。
 ──かと思われていた。