追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

「もう少しこの力を試してみたかったが──タイムリミットだ」
「があああああああ!」
 あれだけ僕を追い詰めたリオネルの最後は呆気なかった。
 僕が魔剣を軽く払うように動かすと、彼の胴と下半身が分離した。
「わ、私がこんなところで負けるとは──だが、魔神の力は本物だった。私自身の手でやれないのは残念だが、君なら八百年前に魔神がやり残したことを遂げら、れ──」
「うっせえ」
 なにやらごちゃごちゃ言っているが、最後まで聞き届けてやるほど僕も甘くない。
 真っ二つになった彼の体を、今度は魔剣で細切れにする。
「よっわ。こんなので威張ってたのかよ」
 僅かに残っていた肉片の一部を、僕は足で踏みつけた。
 もっと殺しを楽しみたかった(・・・・・・・)けれど、今はそれよりも大切なことがある。
「シンディー! カトリナ! ベル!」
 僕はシンディーとカトリナが倒れている地点まで、急いで走る。