「幸運を祈る。この戦いが終われば、また街の屋台で妾にご飯を奢るのじゃ」
と口にする彼女の口元は、穏やかな笑みを描いていた。
---------------
「ん?」
意識が戻ると、リオネルの訝しむような顔が真っ先に目に映った。
「力が増幅していく……? どういうことだ、貴様。一体どこからそんな力を──」
「おおおおおおおお!」
獣のような咆哮をあげる。
魔剣に黒炎が宿り、刀身がさらに禍々しい色に変容していった。
自分が自分じゃないみたいだ。これが魔剣──魔神に体を委ねるという意味なのか。
「ふふ、どうやら目覚めてしまったようだね」
とリオネルは僕と正体(せいたい)する。
「しかしまだ力の扱い方は分かっていないだろう。ならばこのまま押し、切る……?」
血飛沫が舞う。
「遅えよ」
と口にする彼女の口元は、穏やかな笑みを描いていた。
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「ん?」
意識が戻ると、リオネルの訝しむような顔が真っ先に目に映った。
「力が増幅していく……? どういうことだ、貴様。一体どこからそんな力を──」
「おおおおおおおお!」
獣のような咆哮をあげる。
魔剣に黒炎が宿り、刀身がさらに禍々しい色に変容していった。
自分が自分じゃないみたいだ。これが魔剣──魔神に体を委ねるという意味なのか。
「ふふ、どうやら目覚めてしまったようだね」
とリオネルは僕と正体(せいたい)する。
「しかしまだ力の扱い方は分かっていないだろう。ならばこのまま押し、切る……?」
血飛沫が舞う。
「遅えよ」
