それなのに世界征服だなんてつまらない真似はして欲しくなかった。
 これはオークキングから助けてもらった、僕なりのお礼だ。
「じゃあ……あらためて言うよ。僕に力を貸してくれるかな? そして一緒に自由に生きよう」
『どちらにせよ、魔剣の所有者がそなたに移った以上、妾に拒否権はない。でないと、また妾は空虚で退屈な時間を過ごすことになるからな。妾の方こそ、よろしく頼む』
 と魔神は僕の右肩に飛び乗った。
 こうしていると、本当にただの可愛い猫なんだよな……魔神だなんて未だに信じられないや。

 魔神とこの魔剣の全貌はまだよく分からない。
 でも……これは僕の勘なんだけれど、どうしてもこいつが悪いヤツとは思えなかった。
 それに魔剣がなければ、僕はまた魔物に襲われて、近くの街にすら辿りつけないかもしれない。
 情けない話だが、僕が生きていくためには魔剣の力が必要。