追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

「うわあああああああ!」
 喉が張り裂けんばかりに絶叫する。
 シンディーが死んだ……? いや、まだ分からない! 諦めるな! 今すぐこいつを倒して、彼女のもとに駆け寄れば──。
 だが、戦いというものはどれだけ意気込んでいても、誇りがあっても、全力を尽くそうとも──負ける時は負ける。
 戦いはそんなに甘くない。
「ぐほぉっ!」
 喀血(かっけつ)する。
 一体、なんだ? これは誰の血だ? ──ん? 今、僕が血を吐いたのか?
 ならどうして?
 リオネルの攻撃は間一髪のところで避けてきた。
 口から血を吐く道理なんてないはずなのに……。

「やはりそうか。まあこれも自明の理。私ですら右腕を喰らっただけで、およそ八百年間も眠りこけてしまったんだ。魔神の力に直に触れている君が、なんの代償を払わないわけがないだろう?」

 魔剣を振り──ああ、ダメだ。