追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

「確かにそうかもしれない──だが、それは僕が弱かったからだ。力がなければ生き残れない。力がなければ誰も守れない! しかしあなたは違うはずだ!」
「君のことは調べさせてもらったよ。どうやら、SSSランクパーティーを追放されて、この街にやってきたようだね」
 とリオネルが僕の訴えを無視して言った。
「だったらなんだ」
「君には魔神を覚醒させる負の感情(・・・・)が、既に備わっていたということだよ」
 リオネルが手をかざす。炎、氷、雷──様々な魔法が雨のように天上から降り注いだ。
 僅かな攻撃の切れ間を逃さず、僕はそれを回避し続け、リオネルに肉薄していった。
「負の感情を飼い慣らすため、君は力を求めた。声は聞こえないかい? 魔神の声だ。全てを殺し尽くさんばかりの邪念を感じたことはないかな?」
 リオネルの言葉にハッとなる。