「……はっ！」
　聖騎士の人たちも慌ただしく離脱しようとする。
　だが、リオネルが魔力を外に放出したため、それに耐えきれず上から絶えず瓦礫が落下してくる。
　逃げるのに苦労するだろうが──今は救助に手を回している余裕がないっ！
「ベルもちょっと離れててくれるかな？」
『うむ。さっさとケリを付けてこい』
　とベルは返事をした。
「フィルとこんなに早く共闘することになるとはね。魔剣のことは今は不問にしといてあげるわ」
　カトリナが僕の隣に立ち、そう言葉を投げかける。
「ありがとう」
「でも！　この戦いが終わったら、話を聞かせてもらうんだからね！　逃げないでよ」
「もちろん」
　カトリナの言葉がただただ頼もしかった。
「ははは、君たちはまだ生き残って街に帰るつもりなのかい？　実に愚かだ」
　今度は不出来な生徒を叱るように、リオネルはそう嘆いた。


「手加減なしでいくわっ！」