追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 心の内を読まれ、僕は言葉を失う。
「まあどうでもいい。君がどう答えようとも──殺すつもりだったのだからっ!」
 リオネルが魔力を滾らせる。
 それがあまりに多い魔力量のため、そうしているだけでも周囲の壁がひび割れ、みしみしと嫌な音を立てた。
「シンディー! カトリナ! 僕に力を貸して!」
「はい!」
「当然よ!」
 シンディーとカトリナのふたりも臨戦態勢に入る。
 さっきはギャロルと決着を付けたかったから、助太刀を拒否したんだけれど……今に限ってはそうではないっ!
「他の人たちは逃げて! ここから先の戦いは、僕もどうなるか分からない!」
「ちっ……てめえに指示されるのは癪だが、聞いといてやんよ」
 とギャロルが吐き捨て、その場から去ろうとする。他のみんなも同様であった。
「他の聖騎士も逃げなさい。嫌だと思うけど──これは命令。あなたたちでは足手まといになるだろうから」