追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 この女の前でフィルを殺せば、このイライラも消えるだろう──と。
 今から繰り広げられるであろう一方的な殺戮劇を想像しただけで、ギャロルは嬉しさで身震いした。
「それにしても遅いな。あいつ、ノロマなのも変わってねえのかよ」
「まだあれから、それほど経ってないじゃない。我慢も出来ないのかしら? モテない上にせっかちって救いようがないわね」
「……お前はフィルに似ているな。俺を苛つかせる」
 ギャロルはカトリナの前髪を掴み上げる。
「しかしフィルとは決定的な違いがある。それはお前が女でとびっきりの美人だってことだ。せっかく可愛い顔をしてるんだから、もっと男に媚びた方がいいぜ」
「お生憎さま。あたしがモテるのは事実だけど、媚びる相手くらいは選ぶわ。猿に発情する女だと思ったかしら?」
 そう言って、カトリナはギャロルに唾を吐きかけた。
 顔に彼女の唾が付着し、ギャロルの怒りは臨界点を超える。