『ようやく目覚めることが出来た──さあ、魔剣の所有者よ。妾と一緒に世界征服を果たすのじゃ!』


「え? いえ、それは結構です」
『にゃ、にゃんじゃとーーーーーーー!?』
 魔神は断られるとは思っていなかったのか、そう大きく目を見開いた。
「なんでそんなに君が驚いているのか分からないよ……というかいきなり世界征服だなんてドヤ顔で言われて、ちょっと引いたよ……」
『なんで引く!? おい、やめろ! そんな哀れむような目で妾を見るな!』
 魔神の猛抗議は止まらない。
『そなたはせっかく力を手に入れたのだぞ!? 世界を掌握する力が欲しい──と先ほど願ったではないか!』
「いやいや! そんなこと、思ってないからね!?」
 さっきはオークキングに殺されそうになって、なんとかこの場を切り抜けたいと思っただけだ。
「それに……よく考えてみてよ。世界征服なんて面倒なだけだよ?」
『ん?』