追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 しかし妙に勘が働く男でもあった。

「ちょっと使ってみっか。誰に繋がるんだろうなあ? もしかしたら、あの無能と同姓同名のさいきょー冒険者に繋がるかもな。ガハハ!」
 高笑いするギャロル。
(あたしのミスだ……このままじゃ、フィルも巻き込んでしまう!)
 カトリナは自らの愚かさに歯軋りした。

 だが──違う。
 これは状況を唯一逆転することが出来る一手であった。
 ミスはギャロルの方にこそ有り──。
 そんなことを、ギャロルたちは知る由もなかったのである。

 ◆ ◆

 静かな夜。
 部屋の外からは虫の音が聞こえる。
「これだけ静かだったら、日々の鍛錬も捗るよね」
『この筋トレオタクが……』
 腹筋をしていると、僕のお腹の上でベルがジト目をしていた。
『たまには休んだらどうだ』
「寝る前にこれだけはやっておかないと、落ち着かなくって」
 苦笑する。