「すごい剣であることには間違いないようだね。これがあったから、オークキングを倒すことも出来た。ほんと、魔剣様様だよ」
『感謝されるのは嬉しいが──そなた自身も自分を誇るべきじゃ』
 魔神は優しげな声で続ける。
『妾は八百年前にその剣に封じられて、一度たりとも目覚めることがなかった。魔剣をどこで拾ったのか分からぬが、それを見つけたそなたもすごいし、妾を目覚めさせたこともアッパレじゃ。そのことをもっと誇るがいい』
 見つけたのはギャロルだったけれど──魔神にそう言ってもらえて、僕はふつふつと嬉しさがこみ上げてきた。
 すごいすごいなんて褒められたことなかったからね。
 なんだか照れ臭くなって、僕は頬を掻いた。
「ありがとう」
『それは妾の台詞なのじゃ』
 一転。
 魔神はニヤリと口角を吊り上げ、僕にこう告げた──。