追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 僕の台詞を物真似する彼女に、ぐうの音も出なかった。
 戦いの最中はそんなことに気を遣っている余裕がなくて、つい失礼なことを言っちゃった……。
 今となってはかなり恥ずかしい。
 でもカトリナさんが不快に思ってなさそうなのが、唯一の救いだった。
「分かりました……カトリナさんが言うなら、そうします」
「あっ、それから『さん』付けもいらないわよ。呼び捨てにしなさい」
「カ、カトリナ……こんな感じでいいのかな?」
「合格」
 とカトリナさん──じゃなくて、カトリナは人差し指と親指で丸を作った。
「まあでも……邪竜と戦ったにしては、ちょっと物足りなかったかな。あなたが強いことは分かったけど、さすがにこれじゃあ邪竜には勝てないと思うから」
「い、いや、それは……」
「ああ、いいのよ。あなたも奥の手を隠しているということよね? それは冒険者として当然のことだわ。気にしないで」