追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

 応接間で彼女が言ったことは冗談だと思っていたけれど、どうやらそうじゃなかったらしい。
 正直、聖騎士と手合わせするなんて無謀だと思う。
 今は魔剣もないんだしね。
 でもそれ以上に──。
「分かりました。お願いします」
 僕は昂りを感じていた。
 負けるかもしれないけれど──聖騎士と手合わせするなんて、またとない機会だ!
 ひとりの冒険者……そして剣士として、こんな機会逃してたまるものか。
 僕が頭を下げると、カトリナさんはさらに頬を緩めた。


「なかなかやるじゃない!」
 模擬戦が始まってから、僕が一方的に猛攻を仕掛けている。カトリナさんは防戦一方だ。
「君の方こそ!」
 僕たちは木剣を振るいながら、そう言葉を交わしていた。
 一見、僕優勢にも見える。
 しかし事実は逆だ。

 ──少しでも気を抜いたらやられる!

 そんな焦燥感すら僕は感じていた。