驚きの声をあげると、カトリナさんは僕に笑いかける。
「あなたには感謝するわ。これによって、正式にミースネの冒険者ギルドがあたしたちに出動を要請してくれたんだからね。おかげでやっとベルフォット教と決着を付けられる」
「どういうことですか？」
「今までミースネは聖騎士の出動を嫌がっていたのよ」
　そういえば、受付嬢さんもそのことを不思議そうにしていた。
　あらためて考えてみると、疑問が深まるばかりである。
　ベルフォット教の良からぬ噂については、シンディーも知っていた。新聞で注意喚起の記事が書かれるくらいだし、少なくても彼らの存在はミースネの人たちにとって周知の事実のはずだ。
　それなのにどうして冒険者ギルドは、聖騎士の出動を拒否していたんだ？
　そんな僕の思考を読んだかのように、カトリナさんはこう続ける。