でも……大人版ベルならともかく、今のベルはとても人を殺しそうにない。ただの無害な猫──にしか見えなかった。
「その魔神が封印された剣を、あたしたちは魔剣って呼んでる。聖騎士は魔剣をずっと探しているわ」
「悪い人たちの手に渡る前に、聖騎士の方で保管しておこう──そういう考えですか」
「そうよ。でも……未だにその剣は見つからない。一体どこにあるのやら……」
　とカトリナさんは溜め息を吐いた。
「は、はは。それは心配になりますよね」
　まさかギャロルがたまたま入った遺跡の中にその剣がありました──なんて言えるはずがない。
　憂げなカトリナさんを見て、僕は苦笑いするしかないのであった。
「ちなみに……魔神を制御出来る聖女の方はどうでしょうか？　まだその一族はいるのでしょうか？」
　もし聖女一族がいれば、仮に魔神が復活したとしても、もう一度封印することが出来るかもしれない。