「まあいいけどね。あなたみたいな可愛い顔をした男の子が、邪竜を倒すだなんて……ちょっと信じられないわ」
「それはそうでしょうね。なんか、すみません。弱そうに見えて……」
「そんなこと言ってないわ！　人は見た目で判断出来ないしね。でも……そんなに強いなら、いつか手合わせをお願いしたいわ」
「い、いえいえ！　聖騎士さんと手合わせだなんて恐れ多い！」
　顔の前で手をブンブンと振って、慌てて辞退する。
「ふふふ、ちょっと表情が柔らかくなったわね。じゃあそろそろ話の本題に入ろうかしら。あなたはベルフォット教について、どこまで知っているの？」
　カトリナさんもさっきの手合わせうんぬんは本気でなかったのだろうか──すぐに話題を切り替えた。