「朝から思ってたけど……なんか、いつもとちょっと雰囲気が違うね。もしかして、今日ってお祭りでもあるのかな?」
 ギルドに続く道を歩きながら、僕はシンディーにそう話しかけた。
 シンディーは少し興奮気味にこう答えた。
「はい、お祭りですね。これも今日、聖騎士さんがこの街に来てくれるおかげです! 街を挙げて、聖騎士さんを歓迎しよう! っていうお祭りです!」
「あっ、無事に来てくれることになったんだね」
 先日──僕たちがベルフォット教の信者、そして邪竜によって殺されかけたのは記憶に新しい。
 あれから、冒険者ギルドが聖騎士の要請をしていたみたいだが──ようやく来てくれることになったみたいだった。
「でもそんなに歓迎する必要ってあるのかな? いや、来てくれることは嬉しいけれど、わざわざお祭りまで開くほどかなーって」