彼女と行動を共にしていれば、いつかは魔剣のこともバレてしまうものかもしれない。
 しかしこの魔剣は僕もベルも全貌がはっきりとしない。
 もしかしたら魔剣をきっかけにトラブルが起き、シンディーを巻き込んでしまう事態も有り得た。
 ならばシンディーにはまだ知らせない方が、彼女にとっても良いだろう。
「じゃあそろそろ街に戻ろうか」
「はい!」
『うむ』

 ──あれから邪念には一度も囚われていない。

 僕があれから、力を渇望するような強敵に出会っていないためだろう。
 しかし安心は出来ない。いつ爆発するか分からない爆弾を抱えているようなものだからだ。
 僕はそのことを再度思いつつ、ミースネの森を後にするのであった。


 ミースネに着くと、いつもより出店が多く立ち並んでいる光景が目に入った。
 それが原因なのか、街全体が活気付いているような気がする。