『うむ、その様子じゃと勘付いたようじゃな。魔剣の所有者をやめる方法──それはそなたが死ぬことじゃ。そなたが死ねば、魔剣の所有権がリセットされる』
 その言葉を聞き、僕は息を呑む。

 死ねば、魔剣の所有権がリセットされる──。

 死ぬまで、僕は魔剣と共に歩まなければならない。
 その言葉の意味は簡単で、そしてとてつもなく重かった。
『どうする? 妾はそなたと一緒にいたいが……それはそなたが決めることじゃ。今更妾がなにを言ったとして、考えは変えぬじゃろう?』
「…………」
 きっとそれはベルなりの気遣いなんだと思う。
 ベルにとっても大事なことなのに、僕に選択を委ねると言ってくれた。
 だから僕はベルの誠意に応えるためにも、真剣に考える。

 ──仮に今僕が死んで、魔剣の所有権が他人に移ってしまった場合はどうなるだろう。

 良い人に渡れば問題がない。