『ゆえに考える──魔神というのはそういう風に(・・・・・・)考えるように出来ているのだと』
「そういう風に考えるように出来ている? どういうこと? どうして魔神はそんな風に出来てるの? 魔神ってなんなの。それに──」

 ──この魔剣はなんなんだ。

 ベッドに立てかけている魔剣に視線を移す。
 あれだけ頼もしかった魔剣なのに、今では正体不明の不気味さを感じた。
『分からぬ。今の妾に分かることはそれだけじゃ。すまぬ』
 そう言って、ベルは頭を下げた。
「ベルが謝らないでよ。君が嘘を吐いてないってのは、なんとなく分かるから」
 そう言いながら、僕は頭の中で状況を整理する。
 僕が感じたあの邪念は、魔剣に宿った魔神のもの。
 そして魔剣を伝って、僕の頭の中にも邪念が流れ込んできた。
 そのトリガーはきっと──僕が力を欲した時。