追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

「核があったら話が早かったんですが、なんせ邪竜と戦ったなら回収している余裕もなかったんでしょう。なので、血が付いた所持品を後でなにかひとつ貸していただけますか? それを分析すれば、ひとまず邪竜と遭遇したことは証明出来ると思うので」
「分かりました」 
「ありがとうございます。それに──あなたなら、邪竜を倒すこともあるんでしょう。だから驚きません」
「なんですか、それは」
「もう簡単に驚かないですよー、だ」
 と受付嬢さんは舌を出した。
 昨日このギルドに来たばっかりなのに、なかなかの信頼されっぷりである。
 しかし目撃者にシンディーもいたことや、ベルフォット教に積み重なっている悪評のおかげで、受付嬢さんもすんなりと信じてくれた。
 邪竜の核は魔剣に取り込まれてしまった。