追放冒険者の魔剣無双~ボロボロの剣は最強の魔剣でした~

「……え? ここは?」
 そこは四方八方、真っ暗な空間だった。
 地面さえも覚束ない。平衡感覚がおかしくなる場所だった。
 そんな場所に──今の僕はいた。
「どういうこと? さっきまで邪竜と戦っていたはずなのに……」
 それともまさか、ここが死後の世界というヤツだろうか?
 邪竜の前に為す術なく、シンディーもろとも踏み潰されてしまった……と。
 僕がそう絶望感に駆られていると、

「安心しろ。そなたはまだ死んでおらぬ。そもそも妾が魔剣の所有者を簡単に死なせるわけがない」

 声が聞こえた。
 そちらの方へ振り返ると、さっきまでいなかったはずの女性が椅子に座っていた。
 キレイな女性だった。
 大人の女性って感じ。胸はシンディー以上に大きく、太腿もむちむちしている。しかも露出が多い服を着ているため、目のやり場に困った。