「も〜う、ベルちゃんはまた変なこと言う! そんなことばっか言うなら、またもふもふしちゃうんですからね!」
『や、やめろ! 近付くな! 妾はそなたが苦手じゃ!』
「照れちゃって可愛い〜」
 さすがのベルもシンディーのペースに押されっぱなしである。
 ちょっと緊張感がなさすぎだとも思ったけれど、気を張りっぱなしなのも考えものだからね。
 これくらい楽しく探索する方がいいだろう。
 ──そうこうしていると。
「あっ」
 大きな木の幹下で咲いている一輪の花が目に入った。
 すぐに駆け寄って、それを摘み取る。
「これって……もしかしたらオブペシアの花じゃないかな?」
「そうですよ! 受付嬢さんが言っていた特徴と一緒です!」
『ようやく終わりか……』
 手を叩いて喜ぶシンディー。ベルは彼女に結局もふもふされて、お疲れの様子だった。
 よかった、無事に見つかって。