男が女を冒険者パーティーに誘うのは、一種のプロポーズ的なものと見做される……って。
 これはパーティー内の男女で付き合って、そのまま結婚に至るカップルが多いからだ。
 そこから生まれた考えだけれど……なんにせよ、男が女をパーティーに誘うっていうのは、それだけ覚悟がいるってこと。
 たとえば途中で僕が死んで、シンディーがひとりきりになったら彼女に迷惑をかけることになる。冒険者パーティーを組んだら、僕は彼女の生活を背負うことにもなるのだ。
 それに強化魔法が使えるとなったら、これからシンディーは引っ張りだこになる。
 なのに最初に彼女の力に気付いただけの僕が持っていくなんて、なんだかズルいように感じた。
『くくく……昨日からいちゃいちゃしおって。お姉さんは嫉妬するぞ』
「なに言ってんのさ、ベル」
 今日も僕の右肩に乗っているベルが愉快そうに笑っている。