シンディーが上着に手をかけ、一気に脱ぐと──そこからぷるんっとたわわな果実が飛び出した。
「大丈夫です！　下着は着けたままですから！」
「そういう問題じゃないんだよ!?　僕が目のやり場に困るから！　頼むから、服は着てくれー！」
　フィルが懇願する叫び声が、宿屋中に響き渡った。

《ギャロル》

「ギャロル様、すみません。お金が足りません」

　──ギャロルたちは王都の宝石ショップに訪れていた。
　そこでルビーの指輪に目がいき、衝動買いをしようとすると……店主にそう言われた。
「足りないだと……？　バカ言うんじゃねえ。お前の数え間違いじゃねえのか？」
「め、滅相もございません！　不安になるなら、ギャロル様もどうぞご確認くださいませ」
　店主に促され、ギャロルは渋々お金を数えるが──彼の言った通り、指輪を買うには足りなかった。