僕はそれに対して、なるべく距離を取って、相手の動きを窺うしかない。
 だが……オークキングに隙が出来た。
 棍棒を滅茶苦茶に振り回したせいか一瞬、体がふらついたのだ。
 僕はその一瞬の隙を見逃さず、オークキングと距離を詰め、ボロボロの剣を振るった。
「はあああああああ!」
 全身全霊のひと振り。
 オークキングがこれ以上隙を見せるとは思えない。
 これが最初で最後のチャンスなのだ!
 そして──何故だかオークキングは避けようともせず、剣を体で受けた。
 しかし僕はすぐに絶望する。

 グオオオオオオオオ!

 攻撃が命中したものの、オークキングはそれを意に介さず、棍棒の一撃を放ってきたのだから──。
「そ、そんな──ぐはあっ!」
 棍棒が僕の腹に命中。
 僕の体は宙を舞い、近くの木に激突した。
「ぼ、僕の攻撃は……通用しないのか……っ」
 全身に襲いかかる痛み。