「毛野少将は流罪。男等らもそれぞれ罰を与えられるそうよ」
 今回だけでなく様々な悪事が明るみにでたらしい。

「あの女、叔母君だなんて嘘をついていたとは」
「変だとは思いましたけれど」

 そう。叔母だと信じていたあの女は、叔母のもと侍女だったのだ。

 叔母はとうに亡くなっていて、体系の似ていた女がそのまま叔母のふりをしていたらしい。
 年嵩の侍女と結託していたのだ。
 山吹も侍女だったころの子で父親は貴族ではないという。

 貴族を語り、乗っ取りを企てた罪は重く、相応の罰を受けるだろうとのことだ。



 月日は流れ、秋を迎えた。

「こうして我が家の萩をまた楽しめるなんて、夢のようね」
「本当ですね」

 夏の終わりに、私は五条の萩屋敷に戻った。

 朝霧さまの采配で、朽ちた築地塀や屋敷を修繕してくれて、ひと足先に戻った末吉が、新しい使用人たちと準備を整えて待っていてくれた。

「姫さま、わしに孫ができそうですぞ」
「え! それはおめでとう」