それなりの官位の者でなければならず、その制約ゆえに未婚のまま宮中のどこかでひっそりと一生を終える皇女も少なくない。
「朝霧さま。私が宮中へ行って、女五宮さまがどんな方なのか見てきましょうか」
「ん?」
「ね? そうしましょう。もし意地悪な方だったら私も無理にとは言いませんから」
返事をする前からすっかりその気になった希々は「ね、ね?」と期待に満ちた目を向ける。
「希々、お前はただ宮中に行きたいだけだろう?」
「そんなことはありませぬ」
ふと思い出した。
そういえば、後宮で咳病が流行り、臨時で通える者を捜していると朝議で話があった。
宮中は、希々にとってもいい経験にはなるだろう。
行きと帰りを共にしていれば、悪い虫がつく心配もないし……。
「わかった。じゃあ、行ってみるといい」
「はい!」
「朝霧さま。私が宮中へ行って、女五宮さまがどんな方なのか見てきましょうか」
「ん?」
「ね? そうしましょう。もし意地悪な方だったら私も無理にとは言いませんから」
返事をする前からすっかりその気になった希々は「ね、ね?」と期待に満ちた目を向ける。
「希々、お前はただ宮中に行きたいだけだろう?」
「そんなことはありませぬ」
ふと思い出した。
そういえば、後宮で咳病が流行り、臨時で通える者を捜していると朝議で話があった。
宮中は、希々にとってもいい経験にはなるだろう。
行きと帰りを共にしていれば、悪い虫がつく心配もないし……。
「わかった。じゃあ、行ってみるといい」
「はい!」