高校生初のテストが終わり、学校は学校祭モードに切り替わった。
「高校の学校祭」とはいっても、青空高校は全校生徒50人。一般的な、クラス替えが存在する高校の学校祭とは比べ物にならないくらいこじんまりしているらしい。
でも、熱意だけは大規模校に負けないのが青空高校だ。私も学級委員長として、1年生18人をひっぱることになった。
クラスで取り組むのはポスターコンテストと10分以内のステージ発表。そして、一般公開に向けての模擬店企画だ。
「今年から、有志のステージ発表を企画しまーす。」
学校祭を担当する文化委員の佳子先輩が、1年生への説明の中で、このような話をした。
年々生徒数が減る中で、クラスの活動から生徒会が抜けて、生徒会企画の準備をするのが厳しくなってきた。そこで、一芸に秀でた「有志」のみなさんにステージ発表を盛り上げてもらおう、ということらしい。
「想定しているのは、カラオケ、漫才、部活発表。あー、私はギターを披露する予定ですぅ。」
ギター? ということは、楽器演奏はOKなわけだ。
あ!
私はひらめいてしまった。
「有志」であれば、部活動にする必要はない。学校祭までの期間限定なら、また変わるのではないだろうか?
淡い期待を胸に、ルーズリーフに佐藤先生へのラブレターを書き始めた。
「失礼します。佐藤先生。」
佐藤先生はまた大きく手を振りながら立ち上がり、ビックリしながら近づいて来てくれた。
作戦決行は翌朝8時ちょうど頃。先生が学校に来てすぐの時間帯を狙った。このあとすぐに職員会議があるから、直球勝負で行くなら今が最適だと考えていた。
「学校祭の有志ステージで、一緒に吹奏楽をやってくれませんか?」
智佳先生の目がどんどんキラキラしてくるのが私にもわかった。人間って本当に目をキラキラ輝かせるんだ。いままで見たことがないとびきりの笑顔で了承してくれた。
「曲の候補、考えて来たんです! おいおい一緒に決めましょう。それでは。」
今日の作戦は、とにかく約束をつけることだった。申し分がない大成功! 本当は先生の方が喜んでいるんじゃないかってくらい、嬉しそうな笑顔を見られて、なんだか私も幸せになった。
まだ、何も始まっていないけれど、これから始まることが楽しみで仕方ない。青空での高校生活も捨てたもんじゃない。
入学して初めて、心の底から「青空高校でよかった」と思えた夏の始まりだった。
「高校の学校祭」とはいっても、青空高校は全校生徒50人。一般的な、クラス替えが存在する高校の学校祭とは比べ物にならないくらいこじんまりしているらしい。
でも、熱意だけは大規模校に負けないのが青空高校だ。私も学級委員長として、1年生18人をひっぱることになった。
クラスで取り組むのはポスターコンテストと10分以内のステージ発表。そして、一般公開に向けての模擬店企画だ。
「今年から、有志のステージ発表を企画しまーす。」
学校祭を担当する文化委員の佳子先輩が、1年生への説明の中で、このような話をした。
年々生徒数が減る中で、クラスの活動から生徒会が抜けて、生徒会企画の準備をするのが厳しくなってきた。そこで、一芸に秀でた「有志」のみなさんにステージ発表を盛り上げてもらおう、ということらしい。
「想定しているのは、カラオケ、漫才、部活発表。あー、私はギターを披露する予定ですぅ。」
ギター? ということは、楽器演奏はOKなわけだ。
あ!
私はひらめいてしまった。
「有志」であれば、部活動にする必要はない。学校祭までの期間限定なら、また変わるのではないだろうか?
淡い期待を胸に、ルーズリーフに佐藤先生へのラブレターを書き始めた。
「失礼します。佐藤先生。」
佐藤先生はまた大きく手を振りながら立ち上がり、ビックリしながら近づいて来てくれた。
作戦決行は翌朝8時ちょうど頃。先生が学校に来てすぐの時間帯を狙った。このあとすぐに職員会議があるから、直球勝負で行くなら今が最適だと考えていた。
「学校祭の有志ステージで、一緒に吹奏楽をやってくれませんか?」
智佳先生の目がどんどんキラキラしてくるのが私にもわかった。人間って本当に目をキラキラ輝かせるんだ。いままで見たことがないとびきりの笑顔で了承してくれた。
「曲の候補、考えて来たんです! おいおい一緒に決めましょう。それでは。」
今日の作戦は、とにかく約束をつけることだった。申し分がない大成功! 本当は先生の方が喜んでいるんじゃないかってくらい、嬉しそうな笑顔を見られて、なんだか私も幸せになった。
まだ、何も始まっていないけれど、これから始まることが楽しみで仕方ない。青空での高校生活も捨てたもんじゃない。
入学して初めて、心の底から「青空高校でよかった」と思えた夏の始まりだった。