2200年7月7日。天乃川出版社6代目社長貴志氏の引退式が催された。

 「次期社長は、天乃川貴光と佐藤史歩さんの共同代表とする。今後は天乃川家と経験豊富な社員とで協力し、読者と作家をつないで、あたたかい日本を作って欲しい。」

 私にとって詩結との結婚は天乃川家の命運に殉職することではなかった。私の幸せをみつけ、会社の未来を踏み出すことができた私は、詩結の描く「ひかりのみこ」だ。