(春音side)
わたしは夢を見ていた。
誰かの声がする。
真っ白な夢の中……。
海沿いの道には太陽が降り注ぎ、青空はどこまでも果てしない。
左腕を押さえて泣きじゃくるのは子供の頃のわたし。
力いっぱい叫んだ気がするけど、言葉にできなかった……。
「独りにしないで」
わたしの泣き声を聞いたのか、近づいてくるひとりの姿があった。
髪の長い女性だった。
彼女はわたしの前に立ち止まる。
太陽を背にしているから、表情がよく分からない。
お姉さん、泣いているの?
一筋の光るものが、涙だとわかったから。
わたしは彼女の顔をしっかり見ようと見つめてみる。
やっとほほ笑んでいるって分かったんだ。
彼女は腕を伸ばしてわたしを抱きしめてくれた……。
あなたと出会えた奇跡を。
身体の温かさが、涙から伝わる甘い香りが、伝えてくれた。
わたしはここで目が覚めた。
どこか儚い夢だった。
抱きしめてくれた女性は、どういうわけか知っている人だと思った。
それは、夏のお姉さん。
・・・
わたしは夢を見ていた。
誰かの声がする。
真っ白な夢の中……。
海沿いの道には太陽が降り注ぎ、青空はどこまでも果てしない。
左腕を押さえて泣きじゃくるのは子供の頃のわたし。
力いっぱい叫んだ気がするけど、言葉にできなかった……。
「独りにしないで」
わたしの泣き声を聞いたのか、近づいてくるひとりの姿があった。
髪の長い女性だった。
彼女はわたしの前に立ち止まる。
太陽を背にしているから、表情がよく分からない。
お姉さん、泣いているの?
一筋の光るものが、涙だとわかったから。
わたしは彼女の顔をしっかり見ようと見つめてみる。
やっとほほ笑んでいるって分かったんだ。
彼女は腕を伸ばしてわたしを抱きしめてくれた……。
あなたと出会えた奇跡を。
身体の温かさが、涙から伝わる甘い香りが、伝えてくれた。
わたしはここで目が覚めた。
どこか儚い夢だった。
抱きしめてくれた女性は、どういうわけか知っている人だと思った。
それは、夏のお姉さん。
・・・