さて、その後の顛末を簡単に。

 ディオンとシエラは正式に婚約が認められた。

 もちのろんであるが、ルミューとジェシカの婚約は認められなかった。ルミューは第一継承権を剥奪されたらしい。らしい、というのもユカエルが人づてに聞いた話だからだ。そもそもルミューに興味は無い。どうでもいい。

 ジェシカはトビンセン皇女に対する数々の悪事が暴かれ、国外追放の身となった。本来ならばシエラのおかれた境遇。ということは、そのうち魔物に襲われてその命を落とすことだろう。というか、むしろ死ね。

 ユカエルは皇女という立場でありながら、魔女という立場も楽しんでいる。そして今、何よりの楽しみはシエラとディオンの結婚式。
 実は、妖艶な魔女のユカエルにも縁談の話は飛び込んでくるのだが、それをことごとく断っているらしい。それが今のトビンセン国王の悩みとのこと。


 そんなユカエルは、今日もシエラの幸せを願っている。