そうだろうな、と思う。

 今日の帰りもクラスメイトの子と同じバスになってしまったばかり。
 向こうも気づいていたと思うし、私も気づかないフリをしてしまった。
 体調の悪いはずの私がいるんだから、そういうウワサも出ても不思議じゃない。

「それに、村岡さんがかわいそうだよ」

 麻衣の名前に胸が締め付けられる。
 でも、七夕まで残り数週間しかないのも事実なわけで……。

「そうだよね」
「せめて、村岡さんには全部話をしたら? じゃないと、不公平だ」

 正義感の強い空翔にうなずいたけれど、麻衣に星弥のことを話しはしないだろう。
 これ以上、麻衣に心配をかけたくなかった。

 星弥の運命を変えることができれば、きっとなにもかもうまくいくはず。

 心のなかで麻衣に謝るとき、胸はたしかに痛かった。