図書館を出ると、雨は本降りになっていた。
今年ほど梅雨らしい天気が続いている年はないかもしれない。
次のバスには余裕で間に合うだろう。
カサを広げようとしたその時、うしろでドアが開いた。
樹さんが帰るのかと思いふり返ると、空翔が立っていたから驚く。
「え……。いたんだ?」
私の問いに空翔はカサを取りに行くと、
「お前こそなんでここにいるわけ」
呆れた顔をしている。
「別に……」
「そ」とひと文字で答えると、雨のなかへ歩き出す空翔。
慌てて私も横に並ぶ。
「ここによく来るの?」
「いんや。今日は雨だし、部活もないから久しぶりに来ただけ。肩の痛みについてネットで調べてもしっくりくるのがなくってさ」
「そうなんだ。痛いの?」
「そこそこ。てか、月穂こそ理事長の説教、終わったんだ?」
ぬかるみを踏まないよう歩きながら「違う」と言った。
「理事長じゃなくて松本さんだから。それに説教じゃなかった」
今年ほど梅雨らしい天気が続いている年はないかもしれない。
次のバスには余裕で間に合うだろう。
カサを広げようとしたその時、うしろでドアが開いた。
樹さんが帰るのかと思いふり返ると、空翔が立っていたから驚く。
「え……。いたんだ?」
私の問いに空翔はカサを取りに行くと、
「お前こそなんでここにいるわけ」
呆れた顔をしている。
「別に……」
「そ」とひと文字で答えると、雨のなかへ歩き出す空翔。
慌てて私も横に並ぶ。
「ここによく来るの?」
「いんや。今日は雨だし、部活もないから久しぶりに来ただけ。肩の痛みについてネットで調べてもしっくりくるのがなくってさ」
「そうなんだ。痛いの?」
「そこそこ。てか、月穂こそ理事長の説教、終わったんだ?」
ぬかるみを踏まないよう歩きながら「違う」と言った。
「理事長じゃなくて松本さんだから。それに説教じゃなかった」