「うん」
「だから一緒に見ようよ」
「うん」
「君が好きなんだ」

 突然の告白に息を吞む。
 ああ、そうだったと思い出した。
 ヒソヒソ話のような告白さえ、記憶の底に封印していたんだ。

 あの頃と同じように答えられずうなずく私に、星弥はクスクス笑った。

「それってOKってことでいいのかな?」
「…うん」

 本当は『私も好き』って言いたかった。
 なのに、がんばっても口が動いてくれない。

 好き。
 あなたが好きだったんだよ。

 星弥がいなくなったあと、ずっと後悔していること。
 それは、一度も『好き』だって伝えられなかったこと。

 よく見るようなアニメでは最後、ちゃんと気持ちを伝えられてハッピーエンド。
 エンドロールを幸せな気持ちで見られるけれど、現実は違った。
 突然の上映中止で、物語はバッドエンド。
 エンドロールすら流れず、ひとり締め出された感じ。

 せめて……夢のなかでだけでも気持ちを伝えたい。

「よかった」ホッとしたように笑ったあと、星弥は言う。

「月穂と一緒に流星群を見たいな」

 うれしいけど、そんな日は来ないんだよ。
 あなたと同じ高校に通う夢さえ、結局は実現しなかった。