そうなの?と麻衣を見ると恥ずかしそうにうつむいてしまう。

「俺、晴れ男だしさ。聞いたら麻衣ちゃんもそうなんだって。最強コンビが近くにいたほうがいいかな、って」

 空翔の顔がトマトみたいに真っ赤になっている。
 いつの間に『麻衣ちゃん』という呼び名に変わったかは知らないけれど、今はそれすらも幸せな気分をあと押ししてくれているみたい。

「よかったね」

 麻衣に小声で伝えると、麻衣はますますうつむいてしまった。

 バスは私たちを乗せて、ゆっくりと天文台へ向かっていく。
 車内のどこかで「ああ」とため息がいくつか聞こえた。

 窓を見て気づく。また、雨が降りだしていた。